特集 21世紀に向けての老人保健事業
訪問指導事業の成果と展望
中林 美奈子
1
,
鏡森 定信
2
1富山医科薬科大学地域老人看護学
2富山医科薬科大学保健医学
pp.636-639
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902146
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高齢化社会の保健,医療,そして福祉ニーズに対応するために,昭和57年8月に制定された老人保健法に基づいて各種の保健事業が展開されてきた.老人保健事業のねらいとしては,1)疾病の予防,治療からリハビリテーションに至る一貫した保健サービスの提供,2)壮年期からの健康づくりと成人病予防,早期発見・早期治療,3)寝たきり状態の防止,4)老人医療費の適正化などが挙げられている1).その後の高齢社会の急速な進展は寝たきりや痴呆などの障害を有する高齢者の増加をもたらした.平成12年からは介護保険も導入され,生活圏における介護の充実が図られ,障害を有する高齢者の生活の質の向上がいっそう進むことが期待される.しかし,このような障害に陥らない,あるいは,たとえ障害が避けられないとしても,日常生活動作に支障のない期間の延長を目指すことが重要であり,老人保健事業のよりいっそうの充実が求められている.
老人保健事業の今後のあり方をめぐる議論の中で,保健活動の結果に対する科学的手法による評価の必要性が指摘されているが2),本稿では,老人保健事業のうち訪問指導事業の評価の実例を紹介し,その成果と今後の展望について述べる.
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