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カネミ油症女性被害者健康実態調査報告―日本最大のダイオキシン被害
佐藤 禮子
1
1NGOカネミ油症被害者支援センター
pp.444-447
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100886
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カネミ油症事件をご存知の読者は多いだろう.35年前の1968年,西日本を中心に,当時はPCBが主な汚染原因だと言われたカネミ倉庫発売の米ぬか油を食べ,酷い吹き出などの皮膚症状が出たと14,000人ほどの届け出があった食中毒事件である.その販売期間は明確ではない.悲惨な健康被害状況は連日新聞を賑わせ,水俣病裁判に続く大きな裁判闘争にもなった.国は食中毒にもかかわらず,主に皮膚症状を基準に1,900人足らずを患者と認定,残りの被害者は切り捨てられ,その後検診も追跡調査もないまま,現在も放置されている.
事件の少し前,北九州で,この毒油の絞りかすの飼料で数百万羽の鶏が死ぬというダーク油事件が起きていたが,十分に検証されないまま,引き続き人間への被害が起こってしまった.
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