日本列島
救急医療医師研修会—岐阜県
井口 恒男
1
1岐阜県地域保健課
pp.470
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205645
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県からの委託事業として,岐阜県医師会が主催した表記研修会が,2月11日に実施された.この研修会は毎年恒例となっており,医師会の自主的な研修会であるが,今回は,他県の状況視察も兼ねたもので,大津市の急病診療所の見学と滋賀県医師会・藤野滋理事の「滋賀県における救急医療体制の現状について」,および大阪大学・小川道雄博士の「地域医療としての救急医療のあり方」の講演が,約3時間にわたって行われた.
講演内容は,50年7月,滋賀県をはじめ関西医師会連合の行った休日急患の実態調査結果からの考察のほか,今後の地域における救急医療のあり方など幅広い内容のものであり,日常の医療を担当する医療従事者にとって,非常に有意義なものであった.特に,小川氏は関西医師会連合の実態調査を高く評価し,救急医療の需要状況の把握の重要性を強調され,また,日頃の医療従事者の研修業務を通じて得られた経験に基づき,一般に蘇生法の原則や方法が十分に浸透していない現状を述べられた.救急医療活動の中で,応急処置の重要性は認識されながら,気道確保,人工呼吸法,心マッサージの蘇生の3原則でさえ,医学生をはじめ一般医療従事者,一般住民に対して十分な教育がなされていないようであり,救急医療に関する教育の体系化が緊急課題と思われる.
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