調査報告
保健所で把握された精神発達面での問題児の追跡調査—昭和51年度就学予定児を対象に
滝沢 広忠
1
1市立函館保健所
pp.591-594
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205450
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
当保健所では,毎週2回にわたって3歳児健診を行っている.保健婦による予診・計測,医師による内科検診,そして歯科検診というシステムで,最終的に再び保健婦のもとで,予防接種を含めた全般的な指導が行われる.さらに,栄養相談が必要とされるケースについては栄養士に指導を依頼し,精神発達面で問題があると思われるケースは,精神衛生相談員のところにまわされてくる.
3歳という時期は,幼児期におけるひとつの転換期であり,身体発育,精神発達の面からみても重要な時期である.運動能力の発達にともない,行動半径は広がり,言語の発達が促進されるにしたがって,言語を手段としたコミュニケーションが増大してくる.そして自我が芽生え,自己を主張するようになる.しかし反面,親から分離することによる不安もみられるといった不安定な時期であり,精神構造が複雑化するにしたがい,習癖や問題行動が現われやすい.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.