研究
肝疾患死亡の疫学的研究(1)—血清GOT,GPTの分布と正常範囲
藤井 正信
1
,
三好 保
1
,
中田 久世
1
1徳島大学公衆衛生学教室
pp.585-590
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205449
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はじめに
公衆衛生学の分野において,多数の住民に健康調査の目的でスクリーニング検査を採用し,種々の血液学的検査を利用する機会が増加してきている.
一般に,多数の健康者から得られた血液値はある一定の規則的な分布を示すことが知られており,この分布から統計的な方法によって健康者集団の占める範囲を求め,この範囲を正常値としてスクリーニング検査の基準として用いることが多い1).一方,集団の正常範囲とは別に個人の血液値には個体差があり,恒常性をもってある狭い範囲にとどまっており,各個人の生理的正常範囲内の変動を健康状態を把握するのに用いることが課題となってきている2).
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