調査報告
函館市における精神発達面での問題児の実態
滝沢 広忠
1,2
1(現)札幌商科大学人文学部
2(前)市立函館保健所
pp.669-672
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205936
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はじめに
保健所の3歳児健診において,精神発達面での指導も重要な目的のひとつとされている.しかし,早期発見,早期療育といわれながら,スクリーニングされた問題児の事後指導については,必ずしも十分とはいえない.
当保健所の3歳児健診では,保健婦の予診,計測,医師による診察,歯科検診というシステムのなかで,精神発達面で問題とされた幼児のみ,プレイルームにおいて精神衛生相談員の指導が行なわれる.そこで,発達段階にあると思われるケースについては助言・指導で終結させるが,何らかの問題行動がみられ,経過観察が必要とされるケースについては,定期的に来所してもらい,プレイセラピィ,母親とのカウンセリングを行ないながら指導にあたっている.しかし,行政機関としての機構上,スタッフの問題などもあり,継続指導のケースは少数に限定されてしまい,大部分は期間をおいて発達経過を観察し,必要に応じて助言・指導,あるいは嘱託の精神科医,心理学者の指導を受ける程度にとどまっている.
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