調査報告
鹿児島県三島村・十島村の保健医療と分娩介助者の実態
華表 宏有
1
1琉球大学保健学部疫学
pp.288-296
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205371
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国の離島における保健医療の諸問題を考える場合,まずその実態を把握することが前提であることはいうまでもない.本稿で取り上げる鹿児島県三島(みしま)村と十島(としま)村の合計10の有人島は,本土との交通事情がきわめて悪く,関係者の間では,"離島中の離島"として昔からよく知られていた.
幸いにして筆者は,1976年5月および9月に,加治木保健所が両村の結核集団検診を実施した際同行して,はじめて,これらの島々を訪れることができた.これによって筆者は,両村の無資格分娩介助者の実態を調査するとともに,全般的な保健医療問題についても,その一端を知ることができた.本稿においては,まず三島村および十島村の概況を述べ,ついで筆者が現地に赴き,関係者との面接からえた知見などを基礎として,両村のへき地診療所と医療担当者,救急医療体制,国民健康保険,保健所活動および分娩介助者の実態について報告する.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.