特集 プライマリー・ケア
プライマリー・ケアと医学教育
日野原 重明
1
1聖路加看護大学
pp.250-254
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205362
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まえがき
プライマリー・ケアという言葉がアメリカにおいて用いられ始めたのは,今から10年余り前のことである.特に最近の数年来,この言葉は一般医療だけでなく,医学教育の卒前ならびに卒後の領域にわたって真剣に討議されるようになった.筆者は,1975年11月上旬にワシントン市で開かれたアメリカの公私立医学校の学部長会議に出席する機会を得たが,その際,学部教育においてもプライマリー・ケアが如何に大きな問題であるか,ということを痛感したのである.つまり,在来の医学教育を広範囲に組み直して,卒後地域においてプライマリー・ケアができるような医師の基礎を作ることが,アメリカ連邦政府およびアメリカの一般の地域住民の医学校に対する要望なのである.さて,プライマリー・ケアというのはどういう内容のものであろうか.
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