特集 プライマリー・ケア
アメリカにおけるプライマリー・ケア
紀伊國 献三
1
1筑波大学社会医学
pp.255-259
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205363
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はじめに
アメリカ合衆国には,1974年の調査では,38万の医師が存在している.そのうち,一般医(General Practice)あるいは家庭医(Family Practice)と呼ばれる医師の数は,急激な減少の傾向にあるという.アメリカ医師会の調査によれば,1964年では,総医師数28万4,000人のうち一般医の割合は,25.5%に当たる7万2,400人であった.それが1974年には,38万の医師のうち5万4,000人の14.2%に減少したことが報告されている.このことは,若い新しい医師はほとんど一般医への道を選ばず,また古い一般医の数は,世代の交替とともに減少していることを物語るものであろう.医療の入り口をなすケアをこの特集でとりあげるように,プライマリー・ケアという表現が盛んになりつつあるが,この一般医の提供するプライマリー・ケアの重要性が,最近,アメリカのみならず,世界各国で叫ばれている.この点に関して,アメリカにおける動きを検討してみることとする.
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