特集 保健医療計画と情報システム
都市地域におけるモニター方式による保健医療計画—和歌山市における大気汚染の健康に及ぼす影響調査を中心として
池田 隆
1
,
虎谷 良雄
1
1和歌山市医師会
pp.189-197
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205349
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はじめに
和歌山市は万葉の世より,和歌の浦に潮満ちくれば片男波
芦辺をさして田鶴鳴き渡る
と山部赤人に詠まれたように,海岸美に恵まれ,白砂青松の波打ち際で海遊びが楽しめたものである.ところが高度経済成長の波が打ち寄せ,粗鋼生産年間850万トンを誇る世界屈指の大製鉄所や,関西火力発電所,化学工場等が海岸線に進出し,赤白まんだらの高煙突が里見されるようになった.
また,和歌山の市街地を南北に貫流し,和歌浦湾に注ぐ和歌川流域には,地場産業である染色,織物工場,皮革工場,中小化学工場群等が発達し,種々の公害問題が社会的な関心を集めるようになった1).
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