特集 保健医療計画と情報システム
農村地域における保健医療計画と情報システムの基盤
金子 勇
1
1千葉大・環境疫学研究施設農村医学研究部
pp.180-188
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205348
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はじめに
農村の医療システムについて,若月1)は1964年に基本構想を提言している.そして,さまざまな保健医療実践が,農村各地で展開されてきた.とりわけ,保健医療矛盾の激化する今日,いわゆる地域保健医療のあり方をめぐる論議が活発となり地域医療のシステム化を目指す流れの高まりのもと,具体的な取組みも進められている.しかし,その多くはいまだ特定の課題に限局的に対応するに止まっており,住民の保健医療要求からは程遠い,の感を免れない2)3).
私たちの千葉大農医研も,20数年にわたり,長野・静岡・愛知の各県が接する中部山岳地帯で保健医療活動を続けてきた4).しかし,私たちの主体的力量の弱さもさることながら,激しい過疎化の嵐が吹すさび,その保健医療状況は厳しさの度を強め,そのため新しい発想のもとに,抜本的な施策が必要な事態となっている.
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