特集 保健医療計画と情報システム
地域保健医療計画と情報システム
安西 定
1
1厚生省大臣官房統計情報部衛生統計課
pp.198-204
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205351
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まえがき
福祉国家の建設と健康な国民生活の実現を目指すなかで,増大する医療需要とヘルスサービス,医療費の高騰,医療技術の進歩と医療担当者の不足,救急医療,老人医療,難病などの特殊疾病医療に対するニードの増大と保健医療機能の地域格差,さらには人口の老齢化と生活環境の悪化等等,国民の健康と福祉をめぐる問題は山積している.このような現状のなかで,これらの諸問題を計画的に解決する道として,ここ数年来,すべての国民を対象として,適切なヘルスサービスと有効・適正な医療を確保するための具体的な保健医療計画を策定する必要性が強調されている.国レベル,都道府県レベル,広域市町村レベル,保健所レベルごとに地域特性をふまえた保健医療計画を策定し,保健医療関係施設の整備,必要な保健医療関係者の養成・確保等を計画的,系統的に推進しようとする考え方が,強く打ち出されてきているわけである.
保健医療計画については,国において,全国的,長期的視野から,国全体の計画を策定することは当然であるが,各地域レベルにおいて,自然的,社会的条件と住民ニードに即した地域保健計画を立てることが要請される.
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