特集 地域保健医療計画への住民参加
自治行政への住民参加
似田貝 香門
1
1山梨大学教育学部
pp.90-95
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205332
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はじめに
特定の制度や機構について,今日,独自に「参加」の問題が強く意識されている事態は,端的にいって,それらの制度や機構の現実がなんらかの意味で,「参加」の不在による問題の顕在化を示していることに外ならない.いいかえれば,制度や機構の現実における実体について,今日,それらにかかわりあう人々との間での「参加」がない限り,その制度や機構の存在意義が,疑われている,というような根本的な問題意識なしには,「参加」問題を論ずるわけにはいかない,ということである.
とりわけ,「参加」問題が論議される制度や機構は,それらのメカニズムによってアウト・プットされる政策体系から必然的に起こってくる政策内容の特殊な性格と「参加」問題に,不可分に結びついているものである.したがって,当の問題となっている制度や機構において,「参加」問題が爼上に上っている場合には,よほどそれらの制度や機構の「参加」形式が形骸化し,病理化していると考えても,差しつかえないといってよい.
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