日本列島
沖縄県保健婦研究発表会開かる
伊波 茂雄
pp.732
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205286
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沖縄県環境保健部の主催する第25回保健婦研究発表会が,9月11日午前10時から那覇市で開催された.これは県立の7保健所職員である保健婦約180人(うち53市町村に駐在するもの123人)と,学校保健婦等が日ごろの業務中で研究したことや気付いたことなどを発表し合い,自らの資質向上を図っていこうというもので,約20人が参加した.
午前中は「結核患者未検診者の現状」(那覇保健所),「結核管理の状況」(コザ保健所),「長期排菌,服薬,入院拒否患者経過」(名護保健所)等,保健所の医療業務の主な対象である結核患者に一元的に在宅管理,指導をしている立場から発表が行われた.要点を記すと,邦覇保健所管内では結核患者のうち長期未受検者(診療を受けないもの)は全患者の11.2パーセントに相当する150人いるが,未受検の主な理由は医療不信,本人の無自覚など,となっている.名護保健所の発表は,昭和44年に発見された患者が入院指示を拒否し,服薬も拒否し続けている.その間,担当保健婦が4代かわっているが,医師,宗教関係者,患者の友人,その他の者であらゆる手をつくして医療のルートに乗せようと努力したが拒否し,8年目になっている.このようなケースに対する刻処策はないだろうか,というものである.午後は乳児,家族計画,精神障害者,母子保健管理,成人病などについての研究発表があった.
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