特集 公衆衛生への提言
教育・研究
若い同僚を前にして
秋山 高
1
1北九州市環境衛生研究所
pp.556-557
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205247
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すばらしい研究所だが……
私の職場は地方自治体の研究所である.私をとりまく職員は約40名で,彼らが大学で専攻した学科も,獣医学,薬学,農芸化学,工業化学,化学,生物学……と実に多彩で,平均年齢も27歳と若々しい.不思議(?)なことに,医学部出身者はいない.頭数からいえば,優に大学学部の数教室に匹敵する.設備・予算についても,ほぼ同じことがいえる.職員の質も博士課程・修士課程修了者を含め,約80%が学卒であり,研究所を維持していくのに十分な資格である.これらの若々しい頭脳が公衆衛生の分野で,全エネルギーを費やしてゆくとすれば,まことにすばらしいことであると思う.
これらの若々しい研究者の一群を前にして,「公衆衛生は地域住民の健康を目標にするものであり,幅広い知識と手技を要するものである.いっしょに協力して仕事をやりましょう」と言ってはみるものの,一抹の不安感が走る.これは,以前大学医学部衛生学教室で仕事をしていた頃も同様であった.
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