特集 公衆衛生への提言
政策・行政
保健所に活力を—そのための三つのキーポイント
山下 章
1
1東京医科大学衛生学公衆衛生学教室
pp.525-526
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205233
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過去において,いかにすぐれた活躍をし,高く評価されたことがあっても,時代の変遷や社会情勢の変化によって,その存在価値すらなくなるものも少なくない.そのものだけからみれば淋しいきわみであり,堪えがたいことでもある.しかし広い視野からみると,それだけ社会が発展し向上したことにもなる.こう割り切ってしまえば,戦後大活躍した保健所も,ここらで幕を引いたら,という意見もとび出すかも知れない.だが20年もそこで精魂こめて働いてきた私にはとうてい了承できるものではない.しかし,これからも保健所がこのままの姿で推移し,じり貧を続けるようなことがあるとしたら,幕引きはむしろ早い方がよいと言えないこともない.
今こそ保健所に活力を与えなくてはならない.渦の中から出てまだ日が浅いだけに,ひとごとではなく強く感ぜられる.活力を与えるといってもその手段・方法等容易なことではない.それはわかってはいるが,次の3点をとくに強調せずにはおられない.
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