綜説
医師の救急応需と責任に関する考察
小野 恵
1
1東京女子医科大学衛生学教室
pp.496-500
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205224
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はじめに
突然の傷病による受診が急がれるとき,早速にかなえられてこそ医師の役割は価値あるものとなる.
国民皆保険の制度は,受療に要する経済的負担を軽減し,受診を容易にした.この意義はまことに大きく,戦前まであった医師の不応需禁止規定の罰則が,患者の治療費未払いを立法の主な理由としていたのに,医療保険が確立されるにつれ,いずれこのような理由による医師の不応需は消滅すべき運命にあると予知していたかのように,戦後の現行医師法には罰則規定がおかれていない.
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