綜説
公衆衛生からみた肥満の諸問題
園田 真人
1
1北九州市若松保健所
pp.490-495
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205222
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I.肥満をどう考えるか
肥満が食物の過剰摂取と運動不足によって起こりやすいことは栄養学的に考えられるが,単純に,必要以上のカロリー摂取によって起こるという考えは,改めなければならない.なぜならば,肥満が脂肪組織の一次的な異常によるものか,脂肪組織の代謝異常によるものか,全身の代謝異常の二次的な現象なのか,いまだ解決できていないし,それに社会的な因子も加わるからである.
肥満は単に体重の増加現象であって,とくに小児の肥満は,肥満という現象をのぞけばまったく正常であるという意見もあるが,小児の肥満の80%は成人の肥満に移行すると考えられている1).
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