特集 保健と福祉におけるニードとデマンド
社会福祉におけるニードとデマンド
前田 大作
1
1東京都老人総合研究所社会学部社会福祉研究室
pp.320-324
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205185
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はじめに
筆者は,かつて社会福祉の分野で使われる「ニード」という用語について論文を書いたことがある1).今回,似たようなテーマで再び論文を書くことを求められたので,ニードとデマンドという2つの用語について,内外の解説,あるいはこれらの用語を度々用いていそうな書物を多数調べ,また英語での使い方については,アメリカ人で社会福祉の専門家であるローレンス・トムソン氏(Lawrence Thompson国際社会福祉協議会日本国委員会事務局勤務)にたずねてみたが,ニードという用語については筆者が以前に書いたときと使い方や考え方は,全くかわっていないことを確認した.そこで,この論文の内容は,筆者が前に書いた論文と内容においてよく似たものになることをあらかじめお断わりしておきたい.
ところで,ニード,あるいはデマンドという用語が社会福祉の関係者の間でどの程度専門用語として使われているか,ということであるが,まずニードという用語についてみてみると,これは専門の学術用語として使われているとはいえない.しかしニードという語は社会福祉関係者の間では実によく用いられる.これは英語でもそうであるし,また日本語でもそうである.
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