今月の主題 老人診療のポイント
長寿社会における医学のニード
五島 雄一郎
1,2
1東海大学医学部・内科
2東海大学附属病院
pp.1300-1303
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221773
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高齢化・長寿社会の到来
昭和61年度版「厚生白書」によると,世界最高水準の長寿国となったわが国では,60年に生れた者のうち男性では73%,女性では85%の者が「古稀」の70歳に到達し,さらに男性では43%,女性では63%が「傘寿」と呼ばれる80歳に到達するものと見込まれている.さらに「米寿」の88歳に達するものは男性は14.7%,女性29.8%もあることが予測されている(図1).かくてわが国は文字通り「人生80年時代」を迎えることになることが予想されるわけである.
人口の高齢化を論ずる場合,65歳以上の人口を「老年人口」,15〜64歳人口を「生産年齢人口」と呼び,老年人口の総人口に占める割合(老年人口比率)や生産年齢人口に対する老年人口の割合(老年人口指数)を人口高齢化の目安にしている.かかる視点からの老年人口指数を推計したものが表1で,老年人口比率,老年人口指数が今後10年毎に著しく増加し,高齢化長寿社会がますます増強されていくことが理解される.
![](/cover/first?img=mf.1402221773.png)
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.