特集 環境汚染への対応
イタイイタイ病の発見から補償まで
本多 重雄
1
1富山県厚生部公衆衛生課
pp.614-621
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205076
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はじめに
富山県の中央部を貫流し,富山湾にそそぐ神通川の流域に発生(図1)しているイタイイタイ病(以下「イ病」と称する)については,昭和43年5月8日に発表された「富山県におけるイ病に関する厚生省の見解」では,イ病の本態と発生原因を次のように述べている.
1.Cdの慢性中毒によりまず腎臓障害を生じ,次いで骨軟化症をきたし,これに妊娠・授乳・内分泌の変調・老化および栄養としてのCa等の不足などが誘因となって,イ病という疾患を形成したものである.
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