メディカル・ハイライト
富山県のイタイイタイ病
萩野 昇
1
1富山県萩野病院
pp.54-55
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204208
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イタイイタイ病は,富山県の中央を貫流する神通川流域の一定地区に多発している疾病で,中年以後の婦人を犯し,腰痛,四肢痛,関節痛より始まり,漸次歩行障害をきたし,数年から10数年の長い経過で起臥不能となる。はなはだしいものは,わずかの外力で全身各部の骨の骨折をきたし,患者は疼痛のためイタイイタイと泣きうめき,しだいに栄養摂取不十分となって,痩せ衰えて,死にいたる疾患である。
昭和21年復員し,父祖の業をついで現地に開業したが,当地方に潜在する一種独特な神経痛様疾患の所在に気づき,その本態並びに原因の探究に着手した。現在までにその数は約253名に達した。(内男性6名,女性247名)(死亡者128名を含む)
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