特集 歯と健康
水道とムシ歯予防
美濃口 玄
1
1京都大学部口腔外科学教室
pp.346-349
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204858
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
口腔内の疾患としては一つの専門領域を作る程に数多くのものが知られているが,人類歯牙喪失の主な原因となる疾患は歯牙自体の崩壊を来たすムシ歯と,歯肉,歯槽骨等の歯牙支持機能を失なわしめる歯周症(所謂歯槽漏)の2つにつきると極言できる.
しかもムシ歯の多くは歯牙萠出の直後に初まり,再生,修復,瘢痕形成,治癒といった他組織のとる反応もなくたえず進行して,歯冠部の崩壊消失にいたり,その間に疼痛を供なう歯髄,歯周組織の炎症を続発して,救急の医療要求となり,更に喪失後の機能回復のための義歯作製の歯科医療要求となる.近時この疾患の増加は歯科業務を益々多忙に,かつ社会,個人の経済的負担を重からしめている.
![](/cover/first?img=mf.1401204858.png)
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.