特集 歯と健康
むし歯の予防とふっ化物歯面塗布
大森 郁朗
1
1鶴見大学歯学部小児歯科学
pp.340-345
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204857
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歴史的背景
ふっ化物を使ってむし歯の発生を抑制しようとする試みは,1942年に米国国立衛生研究所(NIH)の研究員Dean1)によって,飲用水からのふっ素の摂取量と,むし歯の発生率との関係が明らかにされて以来,急速な発展を遂げながら今日に至っている(図1).
ふっ素に関する研究の発端を歴史的に辿ってみると,19世紀の初頭にすでに歯の中にふっ素が含有されていることが報告されていたり,19世紀末には小児や妊婦にふっ化物の摂取をすすめている論文があったり,あるいは現在,斑状歯といわれているものと同一の障害であると考えられるChiaie氏歯の報告などがあるけれども,これらの研究はその後発展することなく途絶えてしまったのである.
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