特集 第14回社会医学研究会(主題・地方自治体と保健衛生)
特別講演
地方自治と公衆衛生
曽田 長宗
1
1国立公衆衛生院
pp.793-799
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204765
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一般的なこと
われわれが,自分の健康を維持し,増進し,万一これを失って傷病に悩むような場合に,一時も早く健康を回復しようと願うのは,われわれ人類共通の念願であり,その実現のために,まず自分自身や家族のものができる限りの手だてを盡すこともまた人情である.しかしながら,これにもいろいろな事情で可能の限度があり,またより十分な措置を講ずるためには,さらに広く,知人,隣人,あるいはわれわれの所属する市町村,都道府県,国などの組織的援助を,直接,間接,仰がなければならない.
このように,組織的な社会的努力を通じて,みんなの健康を守って行こうとするのが,公衆衛生であるという,ウィンズロウの定義は,今日でもなお妥当性を失っていないとされている.
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