特集 家族
家族健康管理
津田 佳世子
1
,
田中 恒男
2
1東京大学人類生態学教室
2東京大学
pp.268-274
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204653
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家族健康管理の現状
家族健康管理とは,健康管理活動を家族を対象として行なうことを指すのであろうが,従来おこなわれている医療や公衆衛生活動の中で「家族」を対象とした活動としてどのような活動があるだろうか.この場合「家族」の定義が問題になるであろうが,このことについては後節にゆずるとして,家族ぐるみ,あるいは家族全体をまとめた健康管理を指すものとして考えてみたい.こうした例については,いくつかの試行的実践報告の中で,金川らによるものは1)2),「家族を1つの単位として,それぞれの家族の健康障害を把握し,全家族員をまとめた包括的な健康管理を行なう」観点から,対象家庭に対して公衆衛生学担当の教室員の指導の下に,医学部学生1〜2名が担当者となり,それぞれの家庭との接触をはかり,健康管理を行なっているものである.管理内容としては,健康診断,家庭環境調査,健康相談,健康生活指導,救急処置および疾病管理などである.これらの健康管理活動の実績は,傷病保有者の家族内累積による少罹患家庭と多罹患家庭の分類,生活および環境諸要因との関連性,家庭管理に対する反応や評価との関係,夫婦および親子の傷病の相関などについて統計的観察が行なわれている.
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