連載 在宅看護への道・12
家族の健康管理
村松 静子
1
,
守田 美奈子
1
,
松沼 瑠美子
1
,
山田 京子
1
,
仲野 佳代子
1
1在宅看護研究センター
pp.218-221
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921931
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介護者の不調を見過してしまった私
「娘さんの顔色と表情が悪いような気がする.気になる」そんな記録が看護婦のノートに書かれたのは4月初め,退院から約2か月後のことである.ちょうどこの頃は,家族も光子さんのいる生活に慣れ,安定してきた頃で「母も体調がやっと落ち着いてきたようで,熱もなく,下痢もなく,栄養の方も豆乳を少しずつ増やしています.(中略)最近は母を見ていても安心していられるようになり,生活のリズムもできました」とある.さらにノートの最後の行には「看護婦さんたちも今一番忙しく大変な時だと思います.来られない日もあるでしょうが気にしないでガンバッて下さい」と私たちに対する励ましの言葉さえ書かれている.
実際,訪問していた私たちも,光子さんの状態が安定していることと,家族も何とか介護にも慣れ,リズムもつかみはじめた様子を見て,一安心の時期であった.4月からは,これまでほぼ毎日だった訪問回数も1日おき程度に変更し始めていた.
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