特集 健康権
資料
健康に関する権利規定・1【新連載】
世界人権宣言
西 三郎
1
1国立公衆衛生院
pp.31-32
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204600
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健康に関する権利についての論議が,国内のみならず,多くの国においても行なわれ,健康に関する権利の一つとして.「人間環境宣言(Declaration on the Human Environment)」が,1972年6月16日ストックホルム第1回国連人間環境会議において採択されたこともその一の論証といえよう.このように健康に関する権利が規定されてくるまでには,おびただしい努力,それも血を流すようなたたかいによって得られてきたもので,このことは日本憲法第97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は,人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって,これらの権利は,過去幾多の試練に堪え,現在及び将来の国民に対し,侵すことのできない永久の権利として信託されたものである.」(・・・点筆者)の規定にも明記されている.
人権のなかに,健康に関する権利がうたわれるまでには,長いみちのりがあり最初に自由権的人権が宣言された.その最初のものとしてアメリカの独立戦争のあと,1776年6月12日「ヴァジニアの権利宣言(The Virginia Declaration of Rights)」,などアメリカにおける植民地の権利宣言,さらに7月4日アメリカ独立宣言(Declaration of Independence of the United States of America)」があげられる.
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