資料 健康に関する権利規定・2
国際人権規約
西 三郎
1
1国立公衆衛生院
pp.124-125
発行日 1973年2月15日
Published Date 1973/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204624
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世界人権宣言が1948年第3回国連総会において採択され,その日を記念して12月10日は「人権デー」となっている.この宣言は,国連加盟国を法的に拘束するものではなく,すべての人民,国家とが達成すべき共通の基準である.国連の人権委員会において,条約の性格を持つ国際人権規約の検討が進められ,ようやく1966年12月第21回国連総会で採択された.それは,1)経済的,社会的および文化的権利に関する国際規約(略称A条約,前文および5部,53条).2)市民的および政治的権利に関する国際規約(略称B条約,前文および6部,53条).3)市民的および政治的権利に関する国際規約の選択議定書(前文および14条)よりなり,両規約は全106票賛成であったが,選択議定書は,賛成66,反対2,棄権38票であった.なお,両規約は35カ国の批准書または加入書の寄託が発効の条件となっているが現在まだ発効にいたっていない.
世界人権宣言は,反対なし,賛成48票で採択されたが,白票8があり,ソ連を始めとする社会主義国6カ国と,南ア,サウディ・アラビアが棄権した.このことは,西欧民主主義型人権宣言に対する不服の表明としたものと解し得るもので,反対投票をしなかったのは,人権宣言の成立自体には反対でなかったことによる.
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