特集 医療保険抜本改正
Editorial
公衆衛生と医療保険抜本改正
地主 重美
1
1社会保障研究所
pp.230-233
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204454
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「答申の骨子」
保険医総辞退のあとに出された社会保障制度審議会ならびに社会保険審議会の答申は,わが国のかかえている医療問題について,公的機関の考え方を表明したものとして注目されなければならない.
二つの答申は,現行医療保険の財政安定のための抜本的改革案を諮問されたのに対してこたえたものであり,いわゆる医療問題じたいを直接に取り扱ったものではない.しかしながら,保険問題と医療制度は相互に密接に結びついており,保険財政の安定策も,医療制度,すなわち医療供給体制との関連を無視してはありえないはずである.答申もこの点を卒直に認め,保険制度の抜本改革を行なうためには,医療制度の改革を前提としなければならないことを明確に指摘している.
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