発言あり
胎児公害
M
,
H
,
Y
,
S
,
I
pp.645-647
発行日 1971年11月15日
Published Date 1971/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204367
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明日ではおそすぎる
授乳中の母親が心配事を抱え,いつも心理的にいためつけられていると,自分自身が下痢をおこすばかりでなく,乳児までも緑便をしたりするという事実は,あまりにもよく知られている.
2つの別々の個体の間でも,授乳を通してこれほど密接に関連しているのであるから,子供が母胎内にある時期,すなわち妊娠中では,さらに深く緊密なつながりのあることは想像に難くない.流早死産の原因が,単純に,生理的理由だけでないことも解明されるし,遺伝の関係もその1つである.ところが,今日なお十分解明されていないものに奇形児がある.まったくその原因は先天的なものなのであるから,胎内時期の何か以外には考えられないのであるが,何がどう作用して,という,因果関係についてが,医学的にも,遺伝学的にも解明されない現状なのである.
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