特集 環境保健の提唱
講座
「環境保健」の提唱(1)・【新連載】
長田 泰公
1
1公衆衛生院生理衛生学部
pp.20-21
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204188
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「環境保健」という表題を与えられてから約ひと月たつが,私はまだこの言葉の意味をつかみかねている.従来の環境衛生という言葉にかえて,新しく「環境保健」という言葉を使うからには,編集委員会でそれ相当の論議がかわされたこととおもわれるし,多少その折の空気をきかせてもらいもしたが,どうもまだ「環境保健」の輪郭がはっきりつかめない.おそらく編集委員会では,「環境保健」という新しい言葉を提唱することの今日的意義を認めあったうえで,その中身については編集委員の専門によって,多少とも異なったイメージをそれぞれ画かれたのではないかとおもう.「環境保健」という新しい言葉はまだ生れたばかりであり,これから多方面の専門家の意見を綜合して,その名にふさわしい内容を盛っていかなければならない段階にあるようだ.私のこの失礼な断定をお許しねがえるならば,私は私なりの「環境保健」を書かせていただくことにする.もとより私の書きうるのは,「環境保健」に期待される内容の一部にすぎず,引きつづき多方面の方がたの執筆があるものとして進めていきたい.
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