教室めぐり・2 北海道大学・衛生学教室
独創的な疲労研究をすすめる
斉藤 和雄
pp.103
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203823
- 有料閲覧
- 文献概要
教室の沿革
エルムの学園北大の医学部に衛生学教室が設置されたのは大正12年のことである.開設当時は細菌学の中村豊教授(現在名誉教授)が兼任されていたが,その後,毛利高一先生がドイツ留学を終えられて初代専任教授に就任されたが,病を得て十分その学才を発揮されずに辞職された.昭和4年に至り,パリ帰りの新進学者井上善十郎先生が専任教授として赴任され,この時から真の衛生学教室の歩みが始まったといえよう.井上先生は恩師ベスレドカ教授のanti-virusから出発した異種細菌免疫やBCGの免疫効果など伝染病予防に関する研究,あるいは絶縁環境,労力衛生など各分野にアイデアを発揮され,多数の業績が発表されている.門下生から大学・研究所・行政などの予防医学分野に幾多の偉材が輩出し,わが国における予防医学を向上させる大きな原動力の1つになったことはあまりにも有名である.
昭和32年井上先生が定年退官され,助教授の高桑栄松先生が第3代めの教授に就任された.教室の推進力となるスタッフは教授を筆頭に斉藤助教授,小野・飯田の両非常勤講師,加森助手,大中・小峰・本間・本谷の大学院の他19名の研究生,1名の外国留学生がおり,日夜研究にいそしんでいる.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.