私たちの保健所・2 埼玉県・草加保健所
盛んな母子衛生活動
荻野 淑郎
pp.104-105
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203824
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第829番めの保健所
"草加・越ガ谷,千住の先".江戸をあとに,日光街道を北に向かうと,まず通るのが草加の松並木である.東京都に隣接した埼玉県草加市は,東武線沿線第2のマンモス団地の日本住宅公団松原団地を含めて,最近急速に人口が増加してきた.従来は川口保健所の管内であったが,そこからは10km以上も離れており,保健所行政の遠隔地という感じであった.昭和42年5月,その草加市に,わが国で第829番めの保健所がオープンした.
管轄は草加市と八潮町の2つ.はじめは草加市だけという話もあったが,結局は2つの市町になった.県の保健所としては,この方がよいと思う.県の保健所が1つの市だけしか管轄していない場合,両者の間の連携がうまくないと,特にサービス部門で調整に苦労することがある.たとえば,国保保健婦と保健所保健婦との関係である.開設当初の管内人口は約11万人であったが,1年間に1万人以上ふえており,この傾向がまだ当分の間続くことは疑いのないところ.管内面積は約4600km2で,むかしはそのほとんどが水田だった.それがだんだん埋め立てられている.といっても近くに丘もないので,遠くは千葉あたりから山土を運んでくる.が,ときには東京都のゴミを埋め立てに使っているのがある.そのトラックに"東京を清潔に"と書いてあるが,"埼玉もキレイに"と書き加えてもらいたいものではある.
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