ニュースの焦点
最近の乳児死亡率をみて
青山 好作
1
1東京都八王子保健所
pp.615
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203557
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出生が人生のいちばんのよろこびとするならば,いちばんの悲しみは死亡といえないだろうか。生まれたばかりの赤ちゃんを抱くときの母親,顔一ぱいにほほえみをうかべて,やっと片ことまじりに母親に話しかけようと努力する乳のみ子,突然子どもの死に接した場合,その精神的・肉体的な苦しみは、これを経験した者,これを見守る医師には耐えがたい悲しみである。医学の日進月歩が期待されるゆえんもここにあるといえる。
乳児死亡防止への努力の効果は,乳児死亡率を指標としている。したがってこの乳児死亡率のもつ意義は重大である。しかし周産期死亡率と対比した場合,統計上に歪みがあることが早くから注目され,また乳児死亡率の修正について,つき進んだ研究報告がなされ,日本の乳児死亡率についての検討をよびかける幾多の声がある。このことについては一応後日にゆずり,今日示されている乳児死亡率について論及してみたい。
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