カメラルポ
若さがみなぎる町立八丈病院の公衆衛生活動
pp.551-552
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203543
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若さがみなぎる,まったくそのような形容がぴったりな町立八丈病院に働く若い保健婦さんたちの公衆衛生活動を,8月初旬のある一日に追ってみた。島の一日は素朴な鳥のさえずりからはじまる。午前9時ごろ,あらかじめ通知済の65歳以上の老人たちが集まった。老人検診のひとこまである。高血圧,心臓病の検診を主とし,生活歴の調査(問診)から血圧測定,尿検査,心電図と流れ作業的につぎつぎと行なわれた。参加者は50人ぐらい,80歳の同級生という老人が数人いたり,90歳という高齢者の姿もみえた。しかし驚くほど若々しい,まったく元気そのもので,いまだに畑仕事をしているという老人もいた。この検診に不参加の老人たちに対しては,何らかの病気で病院を訪れた時に同じ調査ができるという利点があることも,病院の公衆衛生活動の特徴といえるかもしれない。人口移動が少なく,島に唯一の町立病院,誰もが一度は訪れるであろう病院,こういう条件のもとで,島民の一生を通して病歴を管理し,追跡するなかから,ひとつの公衆衛生活動のありかたが生まれてくるであろうと期待される。今後の活動に大いに注目したい。
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