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新潟水俣病事件の教訓
斉藤 守
1
1東京大学伝染病研究所癌体質学部
pp.370
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203482
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新潟水俣病事件の発端は,新潟大学医学部で一名の患者がその症状からアルキル水銀中毒症と診断されたことに始まる。それは昭年40年1月のことである。
水俣病は昭和29年から水俣地方に発生し,最初細川一博士らによって原因不明の中枢神経疾患として報告され,その後昭和31年8月に熊本大学医学部内に研究班が作られた。武内教授は最初の4例の病理所見から本態として中毒性脳病を考え,また自然発病は猫,からすその他の水鳥にも見られ,水俣湾産の魚貝類の投与により実験的に猫などに水俣病の発病が認められ,中毒性神経疾患であることが確認された。
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