特集 地域保健活動と国民健康保険
地域活動
各地にみる国保の地域保健へのとりくみ
千葉県の場合
国保を支える保健婦活動の課題
森 幸男
1
1厚生省公衆衛生局保健所課
pp.350-358
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203476
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はじめに
保健婦を中心とする保健施設活動は,国保被保険者の健康の保持増進を目的とするものであり,疾病の治療を行なう医療給付とともに国保事業の重要な支柱として,その円滑な運営に大きな役割を果たしている。しかしその現状をみると,保健婦の不足,活動内容の欠陥など当面する問題点は少なくなく,今後の早急な改善が必要となっている。
とくに,国保被保険者は職業別には農業・漁業・零細自営業の従事者,所得階層別には低所得階層,年齢階層別には老齢者層など保健衛生水準の発展に取り残されたグループを多く抱えている。今後わが国の保健衛生水準が向上していくためには,これら後進グループに対して,保健婦活動を中心としたきめの細かい保健指導を強化していくことが不可欠の要件であり,今後の公衆衛生行政の重点もここに指向されなければならない。このような意味から,保健施設活動の改善充実に対する要請は今後いっそう強まっていくことが予想され,関係者の努力が期待されている。
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