講座 情報科学とその応用・2
情報理論とはなにか
宮脇 一男
1
,
稲田 紘
1
1大阪大学工学部
pp.300-304
発行日 1967年5月15日
Published Date 1967/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203466
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まえがき
最近,電子計算機の発達にともない,各分野にわたって情報処理という概念がひじょうに重要になってきており,医学,医療の方面においても例外ではない。この情報処理に関連した諸理論のなかでも,情報理論はとくに重要な位置を占めるものである。
情報理論とは,ひとくちにいえば,入出力系における情報の流れを,確率統計論などを用いて量的に評価する科学である。これは,元来通信工学に端を発したものであるが,最近では,境界領域の科学として,きわめて重要な意義をもつに至っている。医学,医療の分野においては,情報処理の歴史はまだ浅いので,この情報理論の効用は未知数ではあるが,医用情報の性質からみて,今後,諸問題の解決に相当な威力を発揮するものと期待される。
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