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東大医学部全学ストの経過と問題点
村松 博雄
pp.249
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203450
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全国の研修医の連合体である青年医師連合体は,インターン制度廃止,無給医の解消など医師養成制度の全面的改善を要求していたが,40年3月の卒業組から全国的にインターンは出身校病院にたてこもることを方針とし昨年8月1日には今春の国家試験をボイコットすることを決議していた。東大支部の場合は,昨年11月30日,当時の東大病院長代理の切替教授に交替文書に判を押させた。その内容は,第1の条件として,現行のインターン期間を自主研修期間とし,大学病院に限定して二学級分つまり昨年卒の研修医と今年卒業予定の研修医計約300名を受け入れること,第2に研修のカリキュラムの作成を自主的にやらせよ,という2点であった。ところが,病院長は判を押したが,教授側から問題になり特に内科からは,その実情を無視していると猛烈な反対が出た。そして,希望者の多い三内科の配置人員について研修医,学生側が69人を要求したのに対して,病院側は46人が限度と主張して対立した。こういうことから,研修医,学生側は硬化し切替病院長代理との約束を無視した主任会議,教授会,医学部長の責任を追求して,本年1月26日全学ストに突入することになった。
インターン制度に関する問題だけであるのに全学ストに発展したのはなぜだろうか。これは研修医,学生側に教学側にいい医者を育てるための具体的なプランがあるのかどうかという疑問があったからである。
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