特集 市町村の保健行政を分析する
主題—市町村の保健行政を分析する
市町村衛生行政と保健所の役割—平場農村の現状分析から
三沢 博人
1
1新潟県巻保健所
pp.549-555
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203351
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はじめに
昭和28年,市町村合併促進法が施行され合併が進むにつれて,全国的に衛生事務担当者の絶対数は著しく減少し,他面行政機構の合理化は衛生課を他課と合併して厚生課・住民課の1係として所属させ,また市町村財政の逼迫の結果,法令義務費(結核・伝染病予防・予防接種・清掃関係など)以外の健康増進・疾病予防費(成人病予防・寄生虫予防・母子保健・栄養改善・環境衛生など)の予算化を困難にするなど市町村衛生行政は一般行政の片すみにおいやられたかにみえる時期があった。その後,経済開発最重点の行政偏向から保健と福祉に対する積極的なとりくみへと漸次移りかわりつつ現在に至っている。
この間,地域住民の保健活動も民衆組織を主体としたいわゆる地区衛生組織活動の意欲的な推進がみられたが,時代の変遷とともにその形態と本質をかえつつ今日に至っている。
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