追悼
二木謙三先生を偲ぶ
熊谷 謙三郎
1
1大阪桃山病院
pp.451
発行日 1966年8月15日
Published Date 1966/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203325
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4月27日,研究室の電話のベルがけたたましく鳴り響いた。東京からの電話である。二木謙三先生今朝ご他界されましたとの悲報,聞いた瞬間『巨星地に落つ』『稀にみる偉大なる学者を失った』『日本伝染病学会の中心人物が奪われた』等々の雑念で胸が一杯になり,涙も出ないほどの驚きと悲しみであった。
実は3月31日,福岡市で開かれた日本内科学会評議員会の席上,伝染病研究所附属病院長北本治教授から『3日ほど前二木先生が高熱で肺炎であったので,ご老体でもあるからとりあえず伝研病院にお預りし,心残りであるが来福した』とソット聞かされた。現代の治療医学の進歩と,肺炎という病名を聞いてひとまず安心した。
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