特集 今後の結核問題
ろんそう
結核の撲滅のために
医師の自覚と反省を望む—九州の結核事情から
河盛 勇造
1
1熊本大学
pp.335-336
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203263
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九州の結核死亡率が全国平均に比してはなはだ高いこと,同時に罹患率も高値を示していることなどについては,私どものように九州地区で仕事をし,しかも結核病学を専攻しているものが,最も強く責任を感じねばならないと思っている。そのために,ここ数年間,機会のあるごとに"九州の結核はなぜ減少しないか"というテーマで,熱心な話し合いがされた。その概要については,昨年10月の「健康管理」誌上で記しておいた。本稿もそれの繰返しになるかも知れないが,主として私どもが熊本県下で調査した結果に基づいた事実から,考えられる対策を述べてみたいと思う。
ただ,お断りしておきたいのは,同じく九州でも,南九州と北九州では相当に事情が違うであろうから,私のこの考え方は南九州地区,すなわち熊本,大分,宮崎,鹿児島の諸県についてのことと了解していただきたい。また私自身が行政についての知識を全く持ち合せていないので,あるいはその面では実行不可能のことを申し上げるかも知れないという点である。
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