特集 世界のなかの綜合保健
資料
ネパールのタンセン地区における公衆衛生調査報告
岩村 昇
1,2
1日本キリスト教海外医療協力会
2鳥取大学医学部衛生学教室
pp.111-113
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203001
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日本キリスト教海外医療協力会から派遣されて1962年,1963年の2年間ネパールにおいて公衆衛生業務にたずさわった。その殆どはタンセン地区の公衆衛生調査,主として伝染病対策に費してきた。
タンセン地区は首都カトマンズから西へ300km,標高1,300mの山岳丘陵地帯であるが,南のインドから入る交易ルートの中継地で,つねにインドからの天然痘,コレラなどの侵襲にさらされ,マラリヤ,カラザールも残存し,結核,癩もふえつつあるという多病地区だとされていた。しかしいずれも推定情報だけで,たしかな調査は皆無であり,まずこの地区でモデル調査を行い,それに基づく対策計画を全ネパールの他の地区にも及ぼそうというのが筆者の任務であった。
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