特集 綜合保健活動の推進
主題参加
綜合保健と公衆衛生活動の方向
市町村長の公衆衛生開眼が急務
及川 俊平
1
1北上保健所
pp.20-21
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202968
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所長就任13年6カ月の体験を通して,すなわち衛生行政の末端機関としての立場から二,三所見を述べてみたいと思う。
初め衛生行政は上意下達式であったが,そののち住民の盛り上り式に転換したことは民主主義の原則から申せば当然のことであるが転換の時期が尚早の感なきにしもあらずである。とくに環境衛生面において然りである。当管内においても「そ」族昆虫駆除事業は強力な行政指導と補助政策によった時代は顕著な効果をみたが,そののち住民の自主的事業となってから,むしろ後退の傾向であり,少くとも市町村長の無関心な所はまことに成績がわるい。やはり現段階では強力な保健所の指導と補助金がなければ,まだまだ活溌な動きはできないのではないか。民主主義が日本人の身につくのはまだ数十年はかかると思われるがどうであろうか。
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