私はこう思う シンポジュウムをきいて
行政機構のサイドに偏す
山崎 卓
1
1厚生省保健所課
pp.57-58
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202789
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私は公衆衛生学会員ではないが,厚生省保健所課員である関係から,今度始めてシンポジウムを聞く機会を得たところ,突然「その感想を書け」とのことである。思うに,初めて学会を傍聴した事務屋に何か書かせるのも,飛び入り的,斜視的興味が湧くかもしれないとの目論味からであろうか。その目論味に添っているかどかは知らないが,以下,感じたことを書いてみよう。しかし,山を賑わす枯木の域を出る自信は到底ないことを,最初にお断りしておく。
先ず,テーマに,「地区のニードにこたえる保健所活動」をとり上げられたことについてであるが,これは司会も最初に述べておられたように,すでに本学会においても再三とり上げられた由であるが,それにもかかわらず,現下の公衆衛生関係における最大の関心事であり,公衆衛生の次への飛躍のために脱皮の時期が到来しているという関係者一同の暗黙の時代感覚からして,最も時宜に適したテーマであると考えるし,しかも各レベルの関係者により数次の会合を重ねられて,各レベルからの問題点を綱羅的に摘出掲示されたその意欲的態度には敬服の念を禁じ得ない。
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