連載 事例から探る地域医療再生のカギ・3
地方独立行政法人加古川市民病院機構の病院統合
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.354-359
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■何が問題だったのか
加古川市民病院の医療崩壊
兵庫県加古川市(人口26万人)にある旧・加古川市民病院(405床;現・加古川西市民病院)は,小児・周産期医療に強みを持つ病院で,市西部を中心に地域の医療を支えている病院である.同院は,1999(平成11)年に,一般会計繰入金を除いた修正医業収支比率92%,9.4億円の一般会計繰入金を入れても手持ち現金は1,089万円しかなく,一時借入金3.6億円,他会計借入金3.5億円を抱えるなど非常に厳しい経営状態が続いていた.
その後,職員一体となって経営改善を進め,医師数が1999(平成11)年の38名から2005(平成17)年には64名まで増えたこともあって収益は急改善し,同年の修正医業収支比率は98%に達した.一時借入金・他会計借入金を解消し,手持ち現金は2007(平成19)年度には36.8億円まで増加.一般会計繰入金も7.6億円に縮減した.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.