特集 癩
免疫学の立場から見た結核と癩との関連性
柳沢 謙
1
,
前田 道正
1
1国立予防衛生研究所
pp.129-132
発行日 1963年3月15日
Published Date 1963/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202637
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癩の診断に用いられる光田反応は,1919年光田によって発見され,林によって詳細に臨床的研究が行われている。即ち,癩結節の食塩水乳剤(光田抗原)を癩患者の皮内に注射すると,神経・班紋癩患者では注射後24時間で硬結を伴う発赤が著明に現われ,2週間目に最高頂の反応に達し,その後次第に反応が減弱し,数週後には消褪するのに反し,結節癩患者では注射後殆んど反応を示さない。我々はこの反応の病理組織像が結核の場合のkoch現象に極めて良く似ているので,光田反応もkoch現象と同様に癩の免疫を示すものと考えている。我々は結核と癩との関連性を検討するために,まず皮内反応の面から研究を進めた。
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