発行日 1950年4月15日
Published Date 1950/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906636
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われわれ日本人が,癩という病氣とともにまず連想するのは光明皇后樣の御事跡である。最惡の業病と最貴の麗人との結びつくところに慈悲の極致が感ぜられる。
現在の日本人としては,癩と共に第一に思い浮べるのは皇太后樣である。皇太后樣はわが國の救癩事業のパトロンであらせられる。皇太后樣が癩事業關係者及び癩患者の感激感謝の焦點であることは今さら書くにも及ぶまい。癩歌人明石海人の歌に「みめぐみは云はまくかしこ日の本の癩者と生れてわれ悔ゆるなし」とあろのも,いつわりのない心情である。
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