特集 社会医学(第3回社会医学研究会講演)
一般演題
初診医療機関と患者の関係及び転医の実態について
山下 節義
1
,
奈倉 道隆
1
,
西尾 雅七
1
1京都大学医学部公衆衛生学教室
pp.633-636
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202596
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I.はじめに
医療機関の集中している地域では,患者は一疾患の治療中に自分の判断で医療機関を転々と変える傾向があるといわれている。このことは,治療の一貫性が保たれ難いという臨床上の問題および医療費の浪費という経済的な問題等に限らず,医師と患者の結びつきの弱さ,医療機関相互の結びつきの弱さといった問題をも含んでいると考えられる。
そこでこれらの問題を明らかにするために,‘62年2月より3月にかけて,京都・大阪の大病院の入院患者を対象として,個別に面接し,発病当時の受診状況・転医過程・転医の動機・患者の職業・学歴等を質問し,また病院カルテより入院時病名・居住地等を調査する一方,各病院のそれぞれの主治医より臨床的立場からの入院時期の適否等についての意見を求めた。
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